コピースピードを追い求めるだけでなく環境を考えた技術が評価されました。すぐに使えてしかも省エネです。不要な待機電力をおさえつつ待ち時間ゼロです。以下詳細です。
富士ゼロックス株式会社(本社: 東京都港区赤坂、社長:山本忠人)は、スリープモードからでも「待ち時間ゼロ」で利用できるデジタル複合機のシステム技術開発により、神奈川県が主催する「第3回かながわ地球温暖化対策大賞」(温室効果ガス削減技術開発部門)を受賞いたしました。当社の同賞受賞は、IH定着技術の開発拠点・海老名事業所に続き2度目です。
受賞した技術は、「Smart WelcomEyes」技術、「スマート節電」技術、「スリープ高速復帰」技術を一つに統合したシステム技術(図1)です。このシステム技術により、お客様がスリープモードのデジタル複合機にアクセスし操作パネルでジョブを指示してスタートボタンを押すまでの間、実質的な待ち時間はゼロになります。
図1
- 「Smart WelcomEyes」は、自動センシングによりお客様を検知すると、スリープ状態からでも自動復帰する技術
- 「スマート節電」は、複合機の使用サービスに対して必要な機能モジュールだけに電気エネルギーを供給する省エネ技術
- 「スリープ高速復帰」は、スリープ状態から出力装置を高速に立上げる制御技術
当社は、独自のIH(電磁誘導加熱)定着技術導入により、デジタルカラー複合機注1の定着装置立ち上げ時間世界最速3秒を実現した技術が評価され、2011年に開発拠点の海老名事業所が「第1回かながわ地球温暖化対策大賞」を受賞しております。
しかし、IH定着装置は3秒で立ちあがるものの複合機トータルのシステムとしては復帰に約10秒必要としていたため、多くのお客様は利便性を重視して、省エネな状態であるスリープモードへの移行時間を延長しており、不要な待機電力を消費されていました注2。そこで当社はスリープモードからであっても、ストレスなく「待ち時間ゼロ」で利用できるシステム技術を開発いたしました。
本技術の地球環境への貢献を試算すると、スリープモードへの移行時間を延長して使われている複合機を本技術を搭載した商品に置き換えて5年間使用した場合のCO2削減効果は約3億5800万kg-CO2と予測され注2、この内、このシステムによる削減効果は、IH定着器による効果を差し引いた約1億2500万kg-CO2で、これは杉の木が1年間に吸収するCO2量の約890万本分注3に相当する量です。
当社は「RealGreen」というコンセプトを掲げ、省エネに代表される地球環境負荷低減と、これと相反する快適性や利便性などの価値を両立することを目指して、技術や商品の開発に取り組んでいます。
当社は、今後も商品や事業活動において、地球環境負荷低減に積極的に貢献する新しい技術および商品を開発してまいります。
- 注1 フルカラーデジタル複合機「ApeosPort-IVシリーズ」4機種および「DocuCentre-IVシリーズ」4機種に搭載
- 注2 通常、スリープモードから立ち上がる時間が長くてすぐ使えないため、スリープモードに移行しないようにセットされるケースが多く、余分な待機時電力を消費している
- 注3 ApeosPort-IV C3375 / C2275シリーズ、DocuCentre-IV C3375 / C2275シリーズに商品を置き換えて、すべてスリープモードに設定した場合における試算。